高校の学費の支援|就学支援金と奨学給付金の違いと申請の流れ
高校生の学費を支える国の制度には、授業料を支える「高等学校等就学支援金」と、授業料以外の教育費を支える「高校生等奨学給付金」の2つがあります。目的も申請先も別々で、それぞれ申し込みが必要です。この記事では、文部科学省の公式ページに書かれている内容(2026年10月26日時点)を、違いが分かるように並べました。
2つの制度の違い
いわゆる「高校無償化」は、文部科学省のページでは、正確には授業料を支援する「高等学校等就学支援金」だと説明されています。教科書費や教材費などの授業料以外の費用は、別の制度である「高校生等奨学給付金」が支えます。
2つの違いを、公式ページの記載にそって比べると次のとおりです。
| 項目 | 高等学校等就学支援金 | 高校生等奨学給付金 |
|---|---|---|
| 支える費用 | 授業料 | 教科書費、教材費など、授業料以外の教育費(返還不要の給付金) |
| 所得の条件 | 2026年度から所得制限なし(新制度) | 生活保護世帯、住民税所得割が非課税の世帯、年収約270万円以上490万円未満の世帯(年収目安) |
| 申請先 | 在籍する学校(日本国籍の生徒は、令和8年度に限り、オンラインの e-Shien が使えると公式に書かれています。学校によっては紙のみ) | お住まいの都道府県または学校 |
| お金の流れ | 学校設置者が生徒本人に代わって受け取り、授業料に充てる(保護者が直接受け取るものではありません) | 公式ページに記載なし |
| 申請の時期 | 学校からの案内に従う。原則、申し込みのあった月から支給 | 都道府県ごとに異なる。新入生は4〜6月に一部早期支給の申請ができる |
就学支援金の対象になる人
対象は、国公私立の高校(全日制・定時制・通信制)、中等教育学校の後期課程、特別支援学校の高等部、高等専門学校の1〜3年、専修学校の高等課程などに在学し、日本国内に住所があって、国籍・在留資格の要件を満たす生徒です(2014年度以降の入学者)。
- 国籍・在留資格の要件に当てはまる区分は、日本国籍、特別永住者、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、将来永住する意思が認められた定住者などです。家族滞在は、日本の小中学校を卒業し、高校卒業後に日本で就労・定着する意思が認められることが条件です。
- すでに卒業した生徒、標準の在学期間(全日制3年、定時制・通信制4年)を超えて在学する生徒、専攻科・別科の生徒、科目等履修生・聴講生は対象外です。サポート校も対象外で、通信制高校の授業料は対象です。
- 国の制度のため、住所地と異なる都道府県の学校でも対象になります。都道府県独自の上乗せ支援は要件が異なるため、住所地か学校所在地の都道府県に確認が必要です。
就学支援金はいくらまで支給されるか
支給額は学校の種類で上限が決まっています。年額で見ると、公立は118,800円、私立(全日制)は457,200円、私立の通信制は337,200円までです(新制度の概要資料の記載)。月額の上限は、文部科学省のQ&Aに次のように書かれています。
授業料が上限を超える場合の差額は、生徒本人(保護者)が支払います。通常は授業料を徴収するときに差し引かれますが、一部の学校では先に授業料を全額徴収し、あとから就学支援金に相当する額を還付します。支給期間は、原則として36か月まで(定時制・通信制は原則48か月まで)です。
| 学校の区分 | 月額の上限 |
|---|---|
| 公立(全日制) | 9,900円 |
| 公立(定時制) | 2,700円 |
| 公立(通信制) | 520円 |
| 国立 | 9,600円 |
| 私立(全日制・定時制) | 最大38,100円 |
| 私立(通信制) | 最大28,100円 |
奨学給付金の対象世帯と給付額
奨学給付金は、生活保護世帯と住民税所得割が非課税の世帯のほか、2026年度から、年収270万円以上380万円未満の世帯、380万円以上490万円未満の世帯にも対象が広がりました。判定は、保護者等全員の道府県民税所得割と市町村民税所得割の合算額で行われ、年収は目安です(両親のうち一方が働き、高校生1人と中学生1人の4人世帯の目安)。家計が急に変わって対象の世帯になった場合も対象で、速やかに都道府県または学校へ相談するよう案内されています。
2026年度の給付額(年額)は次のとおりです。
| 世帯の区分 | 国公立 | 私立 |
|---|---|---|
| 生活保護世帯 | 32,300円 | 52,600円 |
| 住民税非課税世帯(全日制等) | 143,700円 | 152,000円 |
| 年収270〜380万円の世帯(全日制等) | 47,900円 | 50,670円 |
| 年収380〜490万円の世帯(全日制等) | 35,930円 | 38,000円 |
申請の流れ
どちらも自動では支給されず、申し込みが必要です。流れは次のとおりです。公式ページに書かれている範囲では、手続きの方法や期日は学校や都道府県によって違います。
- 1. 就学支援金:入学する学校から、入学説明会または入学後に申請書類が配られます。学校から配布されるIDとパスワードで、オンライン申請システム e-Shien にログインして申請する方法があります(令和8年度に限り、日本国籍の生徒が対象。プライバシーへの配慮から、オンラインでも自宅での手続きが求められています)。
- 2. 申請方法・提出書類・提出期日は、学校や都道府県の案内に従います。提出が遅れそうなときは、早めに学校や都道府県に相談します。
- 3. 奨学給付金:授業料の就学支援金とは別に、お住まいの都道府県または学校へ申し込みます。実施状況や時期は都道府県によって異なります。
- 4. 国籍・在留資格に応じて、就学支援金等の支給決定通知の写し、在留カードの写し、住民票の写し(原本)などの書類が必要です。所得の要件を示すために、保護者等全員の課税証明書または非課税証明書などが求められます。都道府県によって必要書類が異なる場合があります。
申請の前に確認したいこと
公式の記載から導ける、手続き前のチェックリストです。
- 在籍する学校(または入学予定の学校)が、就学支援金のオンライン申請に対応しているか。
- 就学支援金と奨学給付金は別々の申し込みになることを、学校や都道府県の案内で確認したか。
- 奨学給付金の申込時期と窓口を、お住まいの都道府県(または学校)に確認したか。新入生は4〜6月に一部早期支給の申請ができます。
- 奨学給付金の所得要件に使う書類(課税証明書または非課税証明書など)を、都道府県の案内どおりにそろえられるか。
- 家計が急に変わった場合は、速やかに都道府県または学校へ相談すること。
- 休学や転学、中退後の再入学など、在学の状況が変わるときは、学校に手続きを確認すること。
よくある質問
就学支援金に所得制限はありますか。
2026年4月から所得制限は撤廃され、多くの生徒が支援を受けられるようになった、と文部科学省のページに書かれています(2026年10月26日時点)。ただし、国籍・在留資格や在学の条件などの要件があります。
就学支援金を申し込めば、奨学給付金も自動的に受け取れますか。
受け取れません。奨学給付金は、授業料を支援する就学支援金とは別々に申し込みが必要です。お住まいの都道府県または学校に申し込みます。
申し込みが遅れた場合、支給はいつからですか。
就学支援金は、原則として申し込みが行われた月から支給されると、Q&Aに書かれています。提出が遅れそうな場合は、早めに学校や都道府県に相談するよう案内されています。奨学給付金の時期は都道府県ごとに異なります。
住んでいる県と違う県の学校に通っていても対象ですか。
就学支援金は国の制度のため、住所地と異なる都道府県の学校でも対象になると書かれています。都道府県独自の上乗せ支援は要件が異なるので、住所地か学校所在地の都道府県に確認してください。
授業料の減免制度や奨学金と一緒に使えますか。
都道府県や学校の授業料の減免制度とは併用でき、減免後に残った額に就学支援金が充てられます。奨学金との併用は原則可能ですが、民間の奨学金には併給を認めていないものがあるため、各要綱で確認が必要と書かれています。
家計が急に変わったときはどうなりますか。
奨学給付金では、保護者の病気やけがで働けなくなった場合などの都道府県が定める家計急変事由が発生し、従前の収入が得られないときに支援を受けられると書かれています。家計急変の基準や手続きの詳細は、都道府県または学校に確認してください。個別の支給額は、お住まいの都道府県や学校の窓口でご確認ください。
制度ページで最新の状況を見る
出典(公式ページ)
- 文部科学省 高校生等への修学支援(外部サイトが開きます)
- 文部科学省 高等学校等就学支援金制度に関するQ&A(外部サイトが開きます)
- 文部科学省 高等学校等就学支援金オンライン申請システム e-Shien(外部サイトが開きます)
- 文部科学省 高等学校等就学支援金・新制度の概要(PDF)(外部サイトが開きます)
- 文部科学省 高校生等奨学給付金のご案内(PDF)(外部サイトが開きます)
- 文部科学省 高校生等奨学給付金(専攻科含む)のお問合せ先一覧(外部サイトが開きます)
最終確認日:2026.10.26 情報の確認方針